今日は、五年前に作ったテナントの庭の手入れをしとった。
そこで、考えさせられる悲しい出来事があった。
そこのテナントは今空いていて、テナントの募集をしている。
そこにテナントの見学者(某会社社長)がきて、コンサルの方と打ち合わせをしていた。
その時、庭の樹を地面から10㎝に伐ってくれと・・・
5年間愛情込めて育ててきた樹木たちを伐れと・・・
その庭は、テナントオーナーがかなりの想いをもっていて、その想いに基づいて作庭した。
作庭前の打ち合わせで、オーナーと言い合いになり、おれは「もうつくらない。どっかの作業員に頼んだらいい。」と言い放った庭だった。
その後、そんなおれに「まいったわ。すべて任せる。一切口出さないからからつくってくれ。」そう言って任せてくれた。
その時、なぜおれが「つくらない」と言ったのか。。。
それは、オーナーの想いとオーナーが考えるデザインがかけ離れていたから。
おれは、自分のデザインを通したかったわけじゃない。
想いをしっかりとしたカタチにしたかったから。。。
おれはいつもクライアントに言う。
「あなたの言う通りにはしません。」と。
ただそれは、勝手に自分が作りたいものを作るわけではない。
しっかりと話を聞いた上で、その想いが最高のカタチになるデザインを発想していく。
素人には、全体のバランスがわかりにくい。
だから、こうしてほしいと言われてそのままのことをしても、「アレッ???」みたいなことが多い。
そこをしっかりと説明し、そうじゃないことを納得してもらう。
だから、「こうしてください。」と言われたら必ず「なぜですか?」と聞く。
その答えが一致すればもちろんそのままそうする。
今日、「10㎝に伐ってくれ。」と言われたので、「なぜですか?」と聞いた。
その人は
「いや、虫も寄ってくるし、管理も大変だし、店の中も見えにくいし、看板も見えないし・・・」
ってほざいとったわ。
おれは、あまりに次元の低い話だと思い、
「10㎝って葉っぱ残りませんね。ない方がましだと思います。」
そう答えた。
そしたら
「そうですよね。全部とったらいいのに。そしたら花でも植えるわ。」
と・・・・・
雰囲気が違う、とかカラーが違う、とか、こんなものつくりたいとか、何か想いがあるならそのようにすればいいと思うけど、想いじゃない。ただ楽にしたいから・・・
呆れて何も言えんかったわ。
何の工夫もせず、取れば楽だから・・・
おれは思った。
この会社、のびんじゃろうなって。
おれは、自分がつくった庭を壊せと言われたことに腹立ったわけじゃない。
必要なくなったら庭もなくなるもんじゃけえな。
おれが気に食わんかったのは、その考えと態度。
まず、そんなに広い庭でもないのに、管理が大変だの虫がくるだの、そんな手間をかける余裕もない、周りを綺麗にもできない人に、人が育てられるんだろうかと思った。
それと、大事に管理しているおれらを目の前に、伐れと言い放つ気遣いも寂しいきもちになった。
おれは、独立してからはじめの三年間、ほぼ仕事がなかった。
その三年間に面倒みてくれた人がいた。
その人が、全国各地のいろんな会社に連れて行ってくれて、いろんなことを勉強させてくれた。
そこで、第一線で活躍している会社で共通していることは、整理整頓、掃除が行き届いていたことだった。
そんな会社って、社員さんもいい顔してた。
おれは思った。
掃除したり、整理整頓したりって、仕事内容を考えたら無駄な作業。
でも、その無駄な作業が人を育てるんだと。
工夫したり、考えたり、気分転換したり。。。そんな中で、人は何かを得ていくんじゃろうなって。。。
だから「手間が惜しいから伐れ。」という発想が、ほんとに悲しかった。
こんなやつが経営者なのかと・・・
とても悲しくなった。。。
作って壊してを繰り返してきた今、考えんといけんことがあると思う。
壊すという選択肢は一番最後じゃとおれは思う。
それまでに、いろんなことを工夫し、ひねりださんといけんと思う。
その工夫が、新たな道を生む。
見えている「視点」をみればいいんじゃんない。
見えてない「視点」を工夫によって探すことのできる会社がどんどん増えたらいいな。。。
そしたらもっともっと楽しいじゃろうな。。。
少なくとも自分はそうありたい。。。
2010/10/27
庭師のお仕事
絵描きさんちの庭の手入れ。
ここは、おとどし私が作った庭です。
庭というよりは、要望が「庭をつくっちゃいけんよ。絵になる景色をつくって。」って受けたので、ほんとに、自然な感じの庭なんです。
植わってる樹種については、この絵描きさんの作風にあった木をうえたのですが。
前も書きましたが、ほんとに自然な手入れをする庭で、これで仕上がり?位の感じに仕上げる庭です。
この人は、血縁関係があり私のお祖母さんではないのですが、お祖母さん的な人で、昔からほんとに、私を育ててくれてる感がヒシヒシと伝わってきて、有難いお施主さんです。
その人が、今日
「三時に出すお菓子がないから、近くのギャラリー喫茶にお茶しに行こう。ちょうど、展示会開かれてるから誰と行こうかってなやんでたの。」
って言ってくれたんです。
「茶兵衛」というギャラリー喫茶で、ちょうど古伊万里の展示会をしていて、京都から美術館級の古伊万里を持って来られて、展示してありました。
京都から運んで来られた方とも、とてもいい話ができ、勉強させていただきました。
庭師の仕事って、こんなケースもあるんです。。。
庭師って、年に一回以上はお施主さんとの接点があり、そのお施主さんは、私が行くのをとても楽しみにして下さっているんです。
そんな方が多くて、一生懸命話をしてくださるんです。
それは、日常のグチであったり、孫や子供の自慢であったり、自分の日々の生活の話であったり、様々です。
そんな話を聞いてあげられるのも、立派な庭師の仕事だと私は思うんです。。。
その後で自分がしんどい思いをする事は、言わなくてもわかると思いますが・・・
休憩を沢山したからといって、やはり一日の仕事はするべきであって・・・
でも、お施主さんのとこに行き、そんなたわいもない話を時間をかけてしてくれるって事が私は嬉しいんです。
結局、今日は朝行って、朝から一時間ほど会話を交わし、仕事を始めたのは9:00.
15:00にギャラリーに行き、帰ってきたのは16:30。
ろくに仕事ができませんでした。18:00までは仕事をしましたが、今の時期は、日がおちるのが早い為、それ以上はできません。。。
明日は07:30には、仕事を始めないと挽回できない。。。
が・・・私は、こんなお施主さんが大好きだ。
ほんとに、有難いと思う。
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diary
2010/10/12
ヤマモモ
応援で、植栽工事に行った。
以前、家を建て直すということで、預かっていた樹木7本、新たに植えるもの3本、
やまもも、イタヤカエデ、枝垂れ梅。
大物は、アラカシとやまもも。
アラカシは、春に掘って帰っているので細根がよくでていた。
問題はやまももだった。何十年か前に植えられて一度も掘っていないのである。しかも、ヤマモモの場合は時期的にあまり良くない。ヤマモモは寒さに弱い木なんです。春に掘るほうが安全だと思っています。秋の方がいいって人もいるけどね。。。
お客さんがどうしてもこの木がいいと言ったそうです。工事の段取りの関係で今しか植えれないので、枯れてもいいからやってみてくれ。と。
木を愛してくれるいいお客さんだった。こんなにこのヤマモモが好きならと、一生懸命掘った。掘ってみると、案外太い根は出ておらず、これなら大丈夫かもしれない。と思った。写真は積み込み作業中。
木の移植は難しいようで簡単、簡単なようで難しい。生き物相手ってのは、言い訳のように聞こえるが、実際そうである。これなら大丈夫って思ったものが枯れたり、これは厳しいかもっておもったやつが元気に育ったり、ほんとに不思議なことは多いんです。
要は、バランスなのですが、私は正直「運」もかなりあると思う。その日の天気、気温、湿度すべてが関係してくるんです。特に根っこ。乾くと良くないんです。
バランスってのは、木は根っこで養分、水分を吸い上げ、枝葉に供給する。根っこと地上より上とのバランスがとれたものは、伸び伸びと育ってくれるんです。根っこを切った時には上も透かしてやらないといけない。残った根っこが吸い上げる養分で生きていける程度の枝葉にしてやらないといけないんです。
逆に、植わっている木をめちゃくちゃに切ると、根っこが上げる養分が有り余って偏って枝葉に伝わり無茶苦茶にのびるんです。いじけるんです。
要は、バランス。。。
よく、「移植ってのはいつがいいの?」って聞かれるんですが、木によって、最も良い移植時期ってのは違うんです。もちろん、それ以外は無理って事はないんですけどね。古木の場合は気をつけないと枯れてしまったりするけど。。。
私は移植の時、いつも思います。「頼む。元気に育ってくれよ。」って。愛情って木にも伝わると思うんです。むしろ、植物達の方が正直なような気さえしてきます。植えるまでに最善を尽くし、あとは木の生命力にまかせるしかないんです。もちろん、ケアは必要ですけどね。水遣りとか、場合によっては肥料とか。
ほんと、人間みたいでしょ。
ヤマモモは、明日現場に植えにいきます。
「頼む。がんばって根付いてくれよ・・・」
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樹の性質、手入れに関して
2010/10/02
International award First Prize を受賞して。。。
昨日無事に帰国した。。。
未だ実感は沸かない。
First Prizeという最高の賞を受賞したにもかかわらず。。。
このコンペは二度目の挑戦だった。
一度目は二年前、無念にも初期の選考で落ちた。
今年は日本、いやアジア初の受賞を目指し、リベンジの気持ちを強く持って望んだ。。。
その結果は、最高の賞に終わった。。。
とてもうれしかった。
飛び上がるほど驚いた。
しかし、もっと嬉しかった事がある。
世界一という結果じゃない。
それは・・・
このコンペに挑戦するにあたり、多くの仲間がバックで支えていてくれたこと。。。
単身海外に渡る俺を、多くの仲間が日本でずっと見守っていてくれたこと。。。
そして、その海外でさらに多くの友人ができたこと。。。
それ以外には何もない。。。
ここに、鳥肌の立つほどうれしかった仲間からの祝いのメール、ツイート、電話などここに書き記し、一生の宝にしたいと思う。。。
~発表前から待ち望んでくれていた仲間(Twitterより)~
@JYMandCo 庭師さんから連絡ありましたか? by Youhei
@Yo_hewiii まだだよー。あと1時間くらいでパーティーが始まる予定ですわ。
時差-7時間。国際コンペで最終選考にノミネートされ、今頃ウィーンのパーティー会場でスウィングしてるであろう庭師からの連絡を待つ。
by JYM and CO. Kazumasa Kuwada
~そして、無邪気な青年のこのツイートから祝砲が放たれた。。。~
善さん 世界一!! ヤバい!!! by Souhei Komuro
@SOUHEIKOMURO まじかよまじかよ! 詳細はまだですかクワダさん! 会ったことないのにこんなに気になるのは何でだろう。 by Youhei
@Yo_hewiii ごめんごめん。昨晩、電話があって1位取ったって。まっ、自分でつぶやくの待とうと思って。スゲー嬉しそうだったし、俺も超嬉しくて興奮して眠れないかと思ったけどすぐに寝て今起きた。 by JYM and CO. Kazumasa Kuwada
@JYMandCo いやー‼すごいことですよね! 世界…規模がデカすぎる! でも僕も嬉しいです☆ by Youhei
嬉しい知らせ?まさかハッシンさんやっちゃいましたかね?(笑) by Daisuke
そう、昨日の夜に電話があって見事一等賞だよ!大したもんだ。
by JYM and CO. Kazumasa Kuwada
~ここから祝電(Twitter,Mail)が届き始めた。。。~
まじか!!!!!!!!!!!!スゲェー!!!!!!おめでとう!!!!!
今後想像以上の凄いことになりそうですな!^^
帰りたくないだろうけどはよ帰ってこいw
今日はテンション↑↑で、患者さんにぜんちゃんが1位になったことしゃべりすぎて時間がおしまくりやったわw
by Masanobu Nishiya(森×hako きのしょう歯科診療所)
善ちゃん、やったな~!!
おめでとう!!
着信から吉報だとは思っていましたが1st Prizeとは、めでたい!
帰国したら祝賀会をしようや!!
by Keisuke Maeda(UID architects)
さすが善ちゃん!
おめでとうございます!!
兄は自分のことのように喜んでます(笑)
これからのご活躍も楽しみにしています。
私も頑張ろっと☆ by Teruyo Nishiya(photographer)
すご~い!!帰国した瞬間にお祝いしましょう(笑)
ハッシンさん一等賞おめでとうございま~す!! by Daisuke
いやー‼すごいことですよね! 世界…規模がデカすぎる! でも僕も嬉しいです☆
なんか単純にスゴい嬉しいなと思いました(^^) やっぱ先輩方、カッコイイです!!
by Souhei Komuro
マジでありがとございます☆☆☆ 本当に凄いですね♪♪♪ 帰って来たら、話しいっぱい 聞かせて下さい。 本当におめでとうございます☆
すいません…… テンション上がって 『マジでありがとございます☆』 って言ってしまうほど、 本当におめでとうございます☆ (訂正)
by Fuku-chan(SO.S DINER)
世界一になったの?? すごいっ! おめでとう!!! by Hisako Horiike
ぶちすげー おめでとうございます!!! by Haruki Urushikawa(Fukuyama-Kankou)
おめでとう以外言葉が見つかりません!ありがとうございます☆じゃなくておめでとうございます‼ 同じ福山市民としてすごい嬉しいです! by Youhei
本当にやったねーッ‼お祝い、お祝い♪ワーイ‼‼ by Junko Kuwada
おめでとー。ネットにつながらなかった感が一度にアップされてて楽しく読んだぞ。もう一度、おめでとーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!世界一じゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんか、日本に帰ってきたら仕事ができそうもない生活じゃなー
by Satoshi Shitamori
日常に感動を有難うございます!本当に凄い!!! by Etsu
おめでとうございます☆ すっごいですね!!今度、見に行きます。 by Ryoka
いま聞いたよ!おめでとうございます!世界の庭譚になっちゃいましたね!
by Shuuhei Miyahata
みやしゅうに聞きました!おめでとうございます!どんなコンペ案だったのか、見たいなー、楽しみです!楽しんできてね。
スゴイな。もう仕事頼めないかな⁈善次郎さん、かっこいいなー。
by Kumi Aizawa(ライフアンドシェルター社)
おはよーございます! そして、ほんまにおめでとうございます!\(^o^)/ 早速ですが、11.3日のオープンに向けご協力のほど、よろしくお願いしまーす!( ̄▽ ̄)
by Hiroyuki Tsuruoka(Le:ben)
1st prize おめでとうございます。 そろそろブログにアップされるかなぁと思って拝見したところ、「とったどー」。
受賞スピーチは如何でしたか?
オーストリア人はデカイですか?
ビールのジョッキもものすごくでかくてビックリしませんでしたか?(笑
by Kenji Katsuoka]
この前、ティールームのりんちゃんが、ボンドカフェに連れてってくれたよ!
ハッシーが、世界一になったと聞きました。
“おめでとう”
☆☆☆☆☆ by Maru
やるな~国際的なコンペで優勝!また取材にくるんじゃない?
益々忙しくなりそうだけど無理せんようにな。 by Yasutoshi Hayashi
やったな、親方
おめでとう!
素晴らしいね
また、飲み行こうぜ by Kazuya Yamaguchi
ぜんちゃん
やったね~!!
ほんとおめでとう!!
帰ったらお祝いしよう! by Aki Goto(AKI GOTO architects & associates)
すげえぜ、ゼンちゃん。
世界で一番もらったか。
モーそっちで庭、庭、言いまくってよ!
みんなもゼンちゃんに続くから。 by Kenji Furukawa(m28e有限会社)
おめでとうございます!!
はるばるオーストリアまでお疲れさまでした
いつ日本に帰って来られるんですか?
事務所を開いて1年経たないうちに大宴会part.2ですね♪ by Hino
おめでとう!
飲み会やろ! by Hirofumi Kawamura(Sumiyoshi-square)
おめでとうございます
すごいの一言です
再会が楽しみです by Nishikawa
おめでとうございますっっ!!!!!
同じ日本人で、嬉しいです!!!
いろいろ詳しくブログに載せてください!!!
楽しみにしてます!!
俺も日本人!!!
フォーーーーー!!!!!!!!! by Wakaba
一位ですか(◎o◎)!!
すご~~い!!やりましたね、橋本さんっ☆
帰ったらお祝いですね。 by finchi
おめでとうございます。
これも日々精進のお陰なんでしょうね。 by Beta Fujiwara
おめでとう。
やったねー。
本当おめでとう。 by Kouikuya
おめでとう!
ぶれない「善ちゃん」を尊敬しつつ、かんぱーい! by Katsumi Ishimoto
おめでとうございます。
同じ福山の庭師さんの受賞、純粋に尊敬します。
面識ないですけど、勝手に刺激にさせてもらいます☆
機会があれば、いずれ☆ by sora
おめでとう!
すごいやん!
これからどうなんの?
わくわくするね~☆ by Toshikuni Sugioka
一位おめでとうございます。
なんかまた善次郎さんに庭師の新しい世界みせてもらいました。
しっかりボクも精進して後に着いていかねばと!!
また話聞かせてくださいね。 by Kouzou Tatsumi
すっげぇ!!!
やりましたね~
おめでとうございます! by karimasu Harada
兄さん、おめでとーございます!
すごいっすね!
僕もしっかり頑張ります~。 (^^) by Fukui
おめでとう
すげーなー
また、話をきかせて。 by Takuya Sakamoto(庭や Sakamoto)
ほんまにおめでとう。
聞いた時は、ほんま、鳥肌たったわぁ。
すっごく嬉しい!!
こっちのみんなも大喜び。
ジャンヌカのお母さんは、善ちゃんの作品見て、第一声が「森みたい」やったよ!!
やったね!!善ちゃん!! by jannnuca and Saromi
~電話、または来訪してくれた仲間~
Retsuki Makita
BOND CAFE
Fujisaki
Manabu Mizutani
そして、出発前より励ましのTelを下さったクライアントのみなさま。。。
~長文にてみんなに吉報を伝えてくれた仲間~
嬉しいお知らせ。
つい先日、庭譚はっしんがオーストリアで行われた、世界的な庭のコンペで優勝しました。
日本人初の快挙です。
日本一ムゲンに来ないムゲンメンバーが世界一位をとりました。
ものすごく熱いメッセージを書きかけましたが、ダメだ、20000字になる。
勢いで書くと、初期のムゲンを支えたのも、その後一気に忙しくなって、命を削
って仕事してたのも、その間ずっと夢を熱く追いかけてたのも、失敗してボコボ
コになりながらどんどん大きくなっていったのも、誰もを受け入れるあの人間性
も、言葉以上の事をやってのける姿も、あーダメだ2000字いる。
庭師の仕事って、コンペ優勝とはかけ離れた、地味な作業で、それを日々200
%の力で何十日もかけて作った庭で世界の人を感動させる。最高にカッコいいと
思います。
とにかく凄く嬉しいです。
はっしんおめでとう!! by Team MUGEN Takuya Sato
・・・そして最後に、締め切りギリギリまで自分の仕事をほっぽり投げて一緒に徹夜で資料をつくってくれた JYM and CO. Kazumasa Kuwada がこんな言葉を贈ってくれた。。。
昨日のとても嬉しい知らせは、テニス仲間であり同い年の友人、作庭衆 庭譚こと橋本善次郎が数少ない庭の国際コンペで1位に輝いた。
いつも夢をしっかり持ってて、それをカタチにするため色んな人を巻き込む。
巻き込まれた人は知らず知らずにその夢を共有する。
ご多分にもれず僕も巻き込まれたそのひとりなわけで。その思いはいつも熱すぎるほど熱くてほんと子供みたいに目をキラキラさせて真っ直ぐに真っ直ぐな夢を語る。
客観的にみると時にそれはこっちが照れるほどの熱量で…。でもその熱量は大きければ大きいほど地面を蹴る足は強い。
周りの眼や損得なんてない世界。その夢が現実となって、嗚呼、夢ってのはこういう事か、っていうことを今回の受賞で教えてもらった気がする。
大した男だよ。
おめでとう!
そして、ありがとう!
お疲れさん。にしても、やったな!おめでとう!スゲー嬉しいよ。
by JYM and CO. Kazumasa Kuwada
みんな、本当にありがとう。。。
うれしすぎるわ・・・
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庭師であり続ける意味
2009/02/05
「森×hako」を終えて、夢をカタチに・・・
7年前の独立直後、仕事もない頃にしとんと再会した。
二人は高校時代の親友。
あの頃、学校も行かず、毎日パチンコ三昧、飲みに行くわ、警察のお世話になる事もあったオレらは10年の時を経て少し変わっていた。
にしとんも家の事情で厳しい状況に耐えていた。
10年振りにあったおれらは、自分が目指す仕事のスタンスについて夜中まで語った。。。
その時のにしとんのコトバ・・・
「森の中で診察したい。。。」
オレはそのコトバにこう返した。
「やろうや。いつかやろうや。オレが森をつくっちゃる。」
この時の約束を胸に、オレらは幾度となく励ましあってきた。
ここまでの道のりは互いに楽ではなかった。。。
何かがあると飲みに行き、夜中まで話し元気をもらった。。。
話しているうちに、何でもできそうな気になってくる。。。
そんな中、まえちゃんという強い味方との再会があった。
まえちゃんとの再会も絶妙で、以前のナンパ仲間じゃった。
それからというもの、三人は同じ目標を胸に励ましあってきた。
この七年間、彼らがおらんかったら今のオレはおらんじゃろう。。。
潰れそうになった時、道をはずしそうになった時、いつも二人はオレを連れ出してくれた。。。
最後は
「何とかなるで。やるだけじゃろ。やったらえーがー。」
これが口癖になった。
そして、この福山の地を愛し、その故に問題を常に考えてきたオレらは、その夢をもっと大きな物に変えていった。。。
「この空間で福山を変えよう。一人でも多くの人が景色に興味をもてるような、ゆとりをもてるようになるような空間にしよう。。。みんなが思いを持てる福山に。。。福山を変えるスタート地点に。。。」
三人の夢は膨らんだ。。。
七年越しの夢をカタチに。。。
カタチにしようというオレらの思いは強かった。。。
三人の話し合いはいつも朝方まで続いた。。。
そんな中、半年前に夢の現場はスタートした。
スタート間もない頃、大きなミスに気づいた。
ガラスの搬入に関することじゃった。
勉強不足で、先にガラスを入れなければ、作庭後では入らない事に気づいた。。。
ここは、四つの空間をガラスで仕切る仕組みになっており、ガラスをすべて入れるということは、樹木、石、土、生コンなどすべての材料を窓から人力で搬入することになる事を意味していた。
工程に大きな差が出てくる重大なことじゃった。
やばい・・・おれは動揺した。。。
長年連れ添ってきた二人がオレの異変に気づくのに時間は掛からなかった。
二人はオレを現場から連れ出し、元気付けてくれた。。。
オレは腹を据えた。。。
どんなに時間がかかっても、どんなに厳しい状況でも必ずやってやる。。。
オレは逃げん!!!
と・・・
12月終わり頃、中庭の工事で格闘する中、ずっと話し合いが難航していた入り口駐輪場のゴーサインがでた。。。
これは、90%お蔵入りするだろうと言われ続けながらも、三人とも10%の希望に掛けて動いていた工事じゃった。。。
嬉しい反面、中庭のことで頭がいっぱいじゃったオレは、駐輪場の植栽工法に不安がいっぱいじゃった。
夜中に現場から帰り、朝まで図面と闘った。
げっそり痩せこけた。。。
何度も工法を変え、見積もりをかけるも到底実現しない金額が提示された。
施工一週間前に迫るも、まだ決まらない。
焦りだけがオレを襲った。
そんな中、以前からコラボレートしていた鉄関係を専門とする早間君が手を差し伸べてくれた。
「ぜんちゃんのイメージがあるんじゃろ?そのままカタチにしようや。オレに出来る事はするで。。。」
一週間を切った頃、やっと施工の目処はたった。。。
不安要素は多かったが、あとはオレがやるだけの状態になった。。。
絶対にやってやる。
やるしかない。。。
そして1/29。。。
中庭、駐輪場ともに、洗いを残しほぼ完成した。。。
「おっしゃー!!!おわったーーーーー!!!!やったどーーーー!!!やりきったどーーー!!!!!」
オレはその場で叫んだ。。。
最後の三日間の徹夜を経て、1/30 0:00頃、現場に横たわるオレ、若い衆の竜樹、にしとんの、はしゃぐ三人がいた。。。
胸いっぱいになったオレらは眼に涙を浮かべた。。。
込み上げるものを抑える事はできなかった。。。
現場は静まり返っていた。
「夢って叶うんじゃな。。。」
「ほんまじゃな。。。」
「七年って長かったけど、七年で夢を叶えたってすげーな。。。」
「ほんまよな。。。」
「でも、オレらの思いは相当強かったな。。。」
二人はぼそっと呟いた。。。
「やりきった。。。」
「オレはすべてを出し切った。。。」
「今のオレにこれ以上のことはもうできん。。。」
「森×hako」・・・
ここにはオレのすべてが詰まっている。。。
今まで生き、出会い、喜び、悲しみ、苦しんだすべてのこと。。。
オレの思い、生き様が。。。
にしとん、まえちゃん、デブ、早間君、竜樹、これに関わってくれたみんな・・・
一人じゃ闘えんかったわ。。。
仲間に助けられた。。。
オレ、逃げずにすんだわ。。。
ありがと。。。
ほんまにありがと。。。
これを読んでくれているすべての人へ・・・
夢は必ず叶う。。。
思いを持ち続ければ。。。
諦めず、自分に立ち向かう事。。。
逃げない限り、夢は必ず叶う。。。
そう、強く強く、強い思いを持ってください。。。
強く思い続けることが出来る人には、必ず仲間が現れる。。。
一人じゃできなくても、必ず夢は叶う。。。
これこそ人生じゃと、感じることの出来た「森×hako」。。。
すべてはここから始まる。。。
新たな目標へのスタート地点。。。
「森×hako」。。。
ありがとう。。。
二人は高校時代の親友。
あの頃、学校も行かず、毎日パチンコ三昧、飲みに行くわ、警察のお世話になる事もあったオレらは10年の時を経て少し変わっていた。
にしとんも家の事情で厳しい状況に耐えていた。
10年振りにあったおれらは、自分が目指す仕事のスタンスについて夜中まで語った。。。
その時のにしとんのコトバ・・・
「森の中で診察したい。。。」
オレはそのコトバにこう返した。
「やろうや。いつかやろうや。オレが森をつくっちゃる。」
この時の約束を胸に、オレらは幾度となく励ましあってきた。
ここまでの道のりは互いに楽ではなかった。。。
何かがあると飲みに行き、夜中まで話し元気をもらった。。。
話しているうちに、何でもできそうな気になってくる。。。
そんな中、まえちゃんという強い味方との再会があった。
まえちゃんとの再会も絶妙で、以前のナンパ仲間じゃった。
それからというもの、三人は同じ目標を胸に励ましあってきた。
この七年間、彼らがおらんかったら今のオレはおらんじゃろう。。。
潰れそうになった時、道をはずしそうになった時、いつも二人はオレを連れ出してくれた。。。
最後は
「何とかなるで。やるだけじゃろ。やったらえーがー。」
これが口癖になった。
そして、この福山の地を愛し、その故に問題を常に考えてきたオレらは、その夢をもっと大きな物に変えていった。。。
「この空間で福山を変えよう。一人でも多くの人が景色に興味をもてるような、ゆとりをもてるようになるような空間にしよう。。。みんなが思いを持てる福山に。。。福山を変えるスタート地点に。。。」
三人の夢は膨らんだ。。。
七年越しの夢をカタチに。。。
カタチにしようというオレらの思いは強かった。。。
三人の話し合いはいつも朝方まで続いた。。。
そんな中、半年前に夢の現場はスタートした。
スタート間もない頃、大きなミスに気づいた。
ガラスの搬入に関することじゃった。
勉強不足で、先にガラスを入れなければ、作庭後では入らない事に気づいた。。。
ここは、四つの空間をガラスで仕切る仕組みになっており、ガラスをすべて入れるということは、樹木、石、土、生コンなどすべての材料を窓から人力で搬入することになる事を意味していた。
工程に大きな差が出てくる重大なことじゃった。
やばい・・・おれは動揺した。。。
長年連れ添ってきた二人がオレの異変に気づくのに時間は掛からなかった。
二人はオレを現場から連れ出し、元気付けてくれた。。。
オレは腹を据えた。。。
どんなに時間がかかっても、どんなに厳しい状況でも必ずやってやる。。。
オレは逃げん!!!
と・・・
12月終わり頃、中庭の工事で格闘する中、ずっと話し合いが難航していた入り口駐輪場のゴーサインがでた。。。
これは、90%お蔵入りするだろうと言われ続けながらも、三人とも10%の希望に掛けて動いていた工事じゃった。。。
嬉しい反面、中庭のことで頭がいっぱいじゃったオレは、駐輪場の植栽工法に不安がいっぱいじゃった。
夜中に現場から帰り、朝まで図面と闘った。
げっそり痩せこけた。。。
何度も工法を変え、見積もりをかけるも到底実現しない金額が提示された。
施工一週間前に迫るも、まだ決まらない。
焦りだけがオレを襲った。
そんな中、以前からコラボレートしていた鉄関係を専門とする早間君が手を差し伸べてくれた。
「ぜんちゃんのイメージがあるんじゃろ?そのままカタチにしようや。オレに出来る事はするで。。。」
一週間を切った頃、やっと施工の目処はたった。。。
不安要素は多かったが、あとはオレがやるだけの状態になった。。。
絶対にやってやる。
やるしかない。。。
そして1/29。。。
中庭、駐輪場ともに、洗いを残しほぼ完成した。。。
「おっしゃー!!!おわったーーーーー!!!!やったどーーーー!!!やりきったどーーー!!!!!」
オレはその場で叫んだ。。。
最後の三日間の徹夜を経て、1/30 0:00頃、現場に横たわるオレ、若い衆の竜樹、にしとんの、はしゃぐ三人がいた。。。
胸いっぱいになったオレらは眼に涙を浮かべた。。。
込み上げるものを抑える事はできなかった。。。
現場は静まり返っていた。
「夢って叶うんじゃな。。。」
「ほんまじゃな。。。」
「七年って長かったけど、七年で夢を叶えたってすげーな。。。」
「ほんまよな。。。」
「でも、オレらの思いは相当強かったな。。。」
二人はぼそっと呟いた。。。
「やりきった。。。」
「オレはすべてを出し切った。。。」
「今のオレにこれ以上のことはもうできん。。。」
「森×hako」・・・
ここにはオレのすべてが詰まっている。。。
今まで生き、出会い、喜び、悲しみ、苦しんだすべてのこと。。。
オレの思い、生き様が。。。
にしとん、まえちゃん、デブ、早間君、竜樹、これに関わってくれたみんな・・・
一人じゃ闘えんかったわ。。。
仲間に助けられた。。。
オレ、逃げずにすんだわ。。。
ありがと。。。
ほんまにありがと。。。
これを読んでくれているすべての人へ・・・
夢は必ず叶う。。。
思いを持ち続ければ。。。
諦めず、自分に立ち向かう事。。。
逃げない限り、夢は必ず叶う。。。
そう、強く強く、強い思いを持ってください。。。
強く思い続けることが出来る人には、必ず仲間が現れる。。。
一人じゃできなくても、必ず夢は叶う。。。
これこそ人生じゃと、感じることの出来た「森×hako」。。。
すべてはここから始まる。。。
新たな目標へのスタート地点。。。
「森×hako」。。。
ありがとう。。。
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庭師であり続ける意味
2008/09/06
生きることの意味、伝えるという役割。。。
遠方の現場が続く中、「行為の庭」「。の庭」をアップする余裕もなくあっという間に一ヶ月という時間が過ぎてしまった。
そんな中、昨日 雑誌「庭」の取材が終わった。
メディアへの露出が増えてきた最近、この縁に恵まれた状況が何を意味するんじゃろうかといつも考える。
それは、実は今に始まったことじゃない。このブログをはじめた時、ずっと悩んどったことでもある。
薄っぺらな情報が蔓延したこの世の中で、いったい何人の人が本質を見極める事ができるんじゃろう・・・
勿論、おれが本質を見極めとるんかどうかはわからんし、そんな偉そうをいうつもりもない。
しかし、何人の人が「庭」というキーワードの元、心をうつ事ができるんじゃろう・・・
この忙しい世の中で、「庭師」という職業につきながら、何人の人に「心のゆとり」を与えてあげることができとるんじゃろうか・・・
自分の身近にいる人ですら、庭師という仕事がどういう仕事なのかわからない、おれが何をしとるんか知らん。
それじゃいけんと思い、ブログをはじめた。
オレは、庭譚という屋号の通り、庭のストーリー性を重視してきた。
それはクライアントが、このストーリー性により自分の庭である事を認識してもらう為である。
それは、庭を大事にするという行為にも繋がってくる。
そこには、1分でもいい、30秒でもいい。自分が作った「庭」を眺めるという「心のゆとり」をプレゼントしたいという想いがある。
庭師という職人は多くを語らず「見ればわかる」。そういって今まで過ごしてきた。
しかし、その結果どうだろう。
どれほどの「いい庭」「いい景色」が壊されてきたか・・・
建築業界に押され、スペースはなくなり、庭の領域が狭くなってきている現実を見て見ぬ振りしてきたんじゃないか。。。
感覚でつくる。もちろんその通りじゃ。
でも、それを語らない事でこわされてきたものがどれだけ多いかとオレは思う。
何も語らず、「見ればわかる」でどれだけの人が本当にわかるのだろうか・・・
わからんやつはほっときゃいい。
ほんまにそれでえーと思うか?
オレはえーはずがないと思う。
オレがなぜこの「庭師」という職業にありつけたのか・・・
それは、先人が「日本の庭」というものを追求し続けてしてくれた結果である。
そう、日本の「文化」である。
俺らがしとる一つ一つの行為が「文化」になるんじゃ。
今はわからん、そんなことも考えてないかもしれん。
でも、「文化」って何気ないことじゃ。
今、「マイ箸」がブームになっとるけど、これが百年二百年、千年続けばそれは「文化」になる。
何気ない一人の思いつきが「文化」に変わっていくんじゃろ。
でも、「文化」になりえるには「続ける」ということが不可欠じゃ。
「庭」というものがこの日本の「文化」じゃけーこそ、俺らは食っていけとる。
その「庭」が危ない局面に、おれはたっとると思う。
建築家が外構を設計するという現実が、実際にあるわけじゃろ?
大工の棟梁が建物を設計していた時代に「武田伍一」という人が現れ、建築家という職業ができた。
それは、建物というモノを言葉に換えるために相当勉強したに違いない。
勿論、「庭」というもののすべてを「コトバ」で説明することなんてできんじゃろう。
しかし、キャッチコピーみたいなもので、人の心を傾ける為の「コトバ」をつくることはできるとオレは思う。
良い職人ほど語らない。。。
それじゃ今はまずい。
だって、いい職人じゃないとは言わないが、「コトバ」で仕事を取ることができる情報網ができてしまったから。。。
「庭師」という仕事に出会い、「文化」の真っ只中におかれたオレらの役割。。。
それは、「庭師」が「庭」をつくるということ。
そして、「庭師」が「まち」をつくるということ。
しっかりとした信念の中、一生懸命「庭」の本質に挑んでいる人たちはもっと「伝える」べきじゃとオレは思う。。。
そして、この「伝える」ということの為に、自分の仕事を「コトバ」に替えるという行為が非常に重要じゃということ。。。
一人でいい。
自分が発言することで心をうってくれる人が一人でもいればそれでいい。。。
自分が追い続けている「庭」という世界を軸に、「庭師じゃけー感じることができる事」を、一人でも多くの人に「伝える」ことができればそれでいい。
オレが何かを「伝える」ことができるとすればそれは「庭」でしかない。。。
どんな職業の人に対してであろうとも自分が発言することは「庭師として考えることのできた自分」の「コトバ」じゃと思う。。。
しかし、そこに通づるものは必ずある。
それは、本質を常に「コトバ」にかえる努力を惜しまない事、自分の考えを「コトバ」にかえる努力をすること・・・
それは自分の「庭」を「コトバ」にかえることからはじまるんじゃないかとオレは思う。。。
メディアに露出するということ。。。
それは、光栄なことじゃ。
しかし、それ以上に「責任」があるということ。。。
自分が自分の為に生きているんじゃないことを実感させられる。。。
先人達が託してくれた「想い」を次に「伝える」ための駒の一つに自分がなれればこれ以上の幸せはないと常に思う。。。。。
そんな中、昨日 雑誌「庭」の取材が終わった。
メディアへの露出が増えてきた最近、この縁に恵まれた状況が何を意味するんじゃろうかといつも考える。
それは、実は今に始まったことじゃない。このブログをはじめた時、ずっと悩んどったことでもある。
薄っぺらな情報が蔓延したこの世の中で、いったい何人の人が本質を見極める事ができるんじゃろう・・・
勿論、おれが本質を見極めとるんかどうかはわからんし、そんな偉そうをいうつもりもない。
しかし、何人の人が「庭」というキーワードの元、心をうつ事ができるんじゃろう・・・
この忙しい世の中で、「庭師」という職業につきながら、何人の人に「心のゆとり」を与えてあげることができとるんじゃろうか・・・
自分の身近にいる人ですら、庭師という仕事がどういう仕事なのかわからない、おれが何をしとるんか知らん。
それじゃいけんと思い、ブログをはじめた。
オレは、庭譚という屋号の通り、庭のストーリー性を重視してきた。
それはクライアントが、このストーリー性により自分の庭である事を認識してもらう為である。
それは、庭を大事にするという行為にも繋がってくる。
そこには、1分でもいい、30秒でもいい。自分が作った「庭」を眺めるという「心のゆとり」をプレゼントしたいという想いがある。
庭師という職人は多くを語らず「見ればわかる」。そういって今まで過ごしてきた。
しかし、その結果どうだろう。
どれほどの「いい庭」「いい景色」が壊されてきたか・・・
建築業界に押され、スペースはなくなり、庭の領域が狭くなってきている現実を見て見ぬ振りしてきたんじゃないか。。。
感覚でつくる。もちろんその通りじゃ。
でも、それを語らない事でこわされてきたものがどれだけ多いかとオレは思う。
何も語らず、「見ればわかる」でどれだけの人が本当にわかるのだろうか・・・
わからんやつはほっときゃいい。
ほんまにそれでえーと思うか?
オレはえーはずがないと思う。
オレがなぜこの「庭師」という職業にありつけたのか・・・
それは、先人が「日本の庭」というものを追求し続けてしてくれた結果である。
そう、日本の「文化」である。
俺らがしとる一つ一つの行為が「文化」になるんじゃ。
今はわからん、そんなことも考えてないかもしれん。
でも、「文化」って何気ないことじゃ。
今、「マイ箸」がブームになっとるけど、これが百年二百年、千年続けばそれは「文化」になる。
何気ない一人の思いつきが「文化」に変わっていくんじゃろ。
でも、「文化」になりえるには「続ける」ということが不可欠じゃ。
「庭」というものがこの日本の「文化」じゃけーこそ、俺らは食っていけとる。
その「庭」が危ない局面に、おれはたっとると思う。
建築家が外構を設計するという現実が、実際にあるわけじゃろ?
大工の棟梁が建物を設計していた時代に「武田伍一」という人が現れ、建築家という職業ができた。
それは、建物というモノを言葉に換えるために相当勉強したに違いない。
勿論、「庭」というもののすべてを「コトバ」で説明することなんてできんじゃろう。
しかし、キャッチコピーみたいなもので、人の心を傾ける為の「コトバ」をつくることはできるとオレは思う。
良い職人ほど語らない。。。
それじゃ今はまずい。
だって、いい職人じゃないとは言わないが、「コトバ」で仕事を取ることができる情報網ができてしまったから。。。
「庭師」という仕事に出会い、「文化」の真っ只中におかれたオレらの役割。。。
それは、「庭師」が「庭」をつくるということ。
そして、「庭師」が「まち」をつくるということ。
しっかりとした信念の中、一生懸命「庭」の本質に挑んでいる人たちはもっと「伝える」べきじゃとオレは思う。。。
そして、この「伝える」ということの為に、自分の仕事を「コトバ」に替えるという行為が非常に重要じゃということ。。。
一人でいい。
自分が発言することで心をうってくれる人が一人でもいればそれでいい。。。
自分が追い続けている「庭」という世界を軸に、「庭師じゃけー感じることができる事」を、一人でも多くの人に「伝える」ことができればそれでいい。
オレが何かを「伝える」ことができるとすればそれは「庭」でしかない。。。
どんな職業の人に対してであろうとも自分が発言することは「庭師として考えることのできた自分」の「コトバ」じゃと思う。。。
しかし、そこに通づるものは必ずある。
それは、本質を常に「コトバ」にかえる努力を惜しまない事、自分の考えを「コトバ」にかえる努力をすること・・・
それは自分の「庭」を「コトバ」にかえることからはじまるんじゃないかとオレは思う。。。
メディアに露出するということ。。。
それは、光栄なことじゃ。
しかし、それ以上に「責任」があるということ。。。
自分が自分の為に生きているんじゃないことを実感させられる。。。
先人達が託してくれた「想い」を次に「伝える」ための駒の一つに自分がなれればこれ以上の幸せはないと常に思う。。。。。
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