2010/10/12
ヤマモモ
応援で、植栽工事に行った。
以前、家を建て直すということで、預かっていた樹木7本、新たに植えるもの3本、
やまもも、イタヤカエデ、枝垂れ梅。
大物は、アラカシとやまもも。
アラカシは、春に掘って帰っているので細根がよくでていた。
問題はやまももだった。何十年か前に植えられて一度も掘っていないのである。しかも、ヤマモモの場合は時期的にあまり良くない。ヤマモモは寒さに弱い木なんです。春に掘るほうが安全だと思っています。秋の方がいいって人もいるけどね。。。
お客さんがどうしてもこの木がいいと言ったそうです。工事の段取りの関係で今しか植えれないので、枯れてもいいからやってみてくれ。と。
木を愛してくれるいいお客さんだった。こんなにこのヤマモモが好きならと、一生懸命掘った。掘ってみると、案外太い根は出ておらず、これなら大丈夫かもしれない。と思った。写真は積み込み作業中。
木の移植は難しいようで簡単、簡単なようで難しい。生き物相手ってのは、言い訳のように聞こえるが、実際そうである。これなら大丈夫って思ったものが枯れたり、これは厳しいかもっておもったやつが元気に育ったり、ほんとに不思議なことは多いんです。
要は、バランスなのですが、私は正直「運」もかなりあると思う。その日の天気、気温、湿度すべてが関係してくるんです。特に根っこ。乾くと良くないんです。
バランスってのは、木は根っこで養分、水分を吸い上げ、枝葉に供給する。根っこと地上より上とのバランスがとれたものは、伸び伸びと育ってくれるんです。根っこを切った時には上も透かしてやらないといけない。残った根っこが吸い上げる養分で生きていける程度の枝葉にしてやらないといけないんです。
逆に、植わっている木をめちゃくちゃに切ると、根っこが上げる養分が有り余って偏って枝葉に伝わり無茶苦茶にのびるんです。いじけるんです。
要は、バランス。。。
よく、「移植ってのはいつがいいの?」って聞かれるんですが、木によって、最も良い移植時期ってのは違うんです。もちろん、それ以外は無理って事はないんですけどね。古木の場合は気をつけないと枯れてしまったりするけど。。。
私は移植の時、いつも思います。「頼む。元気に育ってくれよ。」って。愛情って木にも伝わると思うんです。むしろ、植物達の方が正直なような気さえしてきます。植えるまでに最善を尽くし、あとは木の生命力にまかせるしかないんです。もちろん、ケアは必要ですけどね。水遣りとか、場合によっては肥料とか。
ほんと、人間みたいでしょ。
ヤマモモは、明日現場に植えにいきます。
「頼む。がんばって根付いてくれよ・・・」
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樹の性質、手入れに関して
2006/02/16
鞆の浦 桑田家復元!!!初 特別公開!!!
今日は、鞆の浦の桑田家に。。。
桑田家は、鞆の浦にあり、太田家http://www.citydo.com/prf/hiroshima/area_fukuyama/kenbun/rekishi/fukuyama013.html
http://hiyoko.mods.jp/blog/tomo2.html
と深くかかわりがある。
2/26、3/5、3/12に特別公開される。(お茶席も開かれます。)
もちろん庭もです。
そのための、準備の話を兼ねてのお仕事と、毎年行っている施肥を行いに行った。
ここの庭は、庭譚としての初仕事をした庭です。
江戸時代に作られた庭です。
多少、変わったところはありますが、ほぼそのまま残っています。
思い返せば、初めて入った時は、木もすべて刈り込まれ、弱った状態でした。。。
松は松くいでやられ、モッコクは枝枯れを起こし、モミジは団子になっていて、サツキやつつじは大きくなり、飛び石を歩けないくらいでした。。。
6年の管理で、ずいぶん景色が変わりました。
今では、毎年出る剪定枝の量が半分以下に減りました。
木が落ち着いた為、無茶に伸びないんです^^
上の枝が枯れかかっていたモッコクも今ではバリバリです。。。
ここでは、刈り込みばさみはいっさい使いません。。。
さつきもつつじもすべて手バサミで透かしをいれます。
時間のある方は是非!!!
ここは、鞆の浦の「町並みひな祭り」http://sanche.hippy.jp/tomonoura/hina/hina.htmの一環で公開される。
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樹の性質、手入れに関して
2005/10/19
プラタナス
あと四,五日応援で街路樹の剪定。
仕上がりの写真を入れてみました。
「もみじばすすかけのき 別名プラタナス」です。
秋に黄色に紅葉します。公園や、街路樹によく使われています。
ここは県道で、「広島県」は年に二回(夏季剪定・・・枝の間引きと冬季剪定・・・枝の切り戻し)を行うそうです。
その為、樹作りが少し楽でした。ちなみに福山市の市道は年に一回もしくは、二年に一回とか、苦情が出た時に行うそうです。
下手にいじるよりは、このほうがいいかもしれません。
向かって左が道路なので邪魔にならぬよう枝を落としてあります。ある程度枝数を残してやれれば胴吹きも少なくなります。
この状態だと、まだ夏場にはグッと伸びますし、胴ぶきもすごいです。ここは、「夏季剪定」を行い、枝を間引いてやるのでこれでも大丈夫ですが、年に一回の剪定で、街路など、制限のある場合は伸びすぎてしまうでしょう。この大きさでずっと抑えておくのは厳しいという事です。
この「プラタナス」という樹は、大きいもので30メートルにもなります。
この通りに「ポプラ」も植わっているのですが、これなんて狭い街路に植えるのは間違いです。完璧な設計ミスだと思います。現に、どんどん枯れてきています。
「ポプラ」は根が浅いくせに、水分を沢山要求するんです。しかも、台風で倒れやすい。鋏も入れにくい(樹形が乱れやすい)。
ほんとにかわいそうです。もっと、広いところに植えてやりたい。。。。
どこでもそうですが、場所に適した、なるべくその木がその木らしく、伸び伸びと育ってれるような樹種を、植えてやりたいものです。。。
と言っても、広いところばかりではありませんので、狭いところには、鋏を入れてもその木自身の個性がなくならないような木を、ちゃんと判断して植えてやりたいものです。。。
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樹の性質、手入れに関して
2005/10/17
街路樹
今日は、応援で街路の剪定をしに行った。
多分、一週間はかかるとのこと。
自分の仕事が遅れ気味なので焦る。。。
最近、仲良くしている人の会社の社員が二人やめてしまって、往生こいているである。「出来る限りはくるから。」と言ってあるが、いよいよ厳しくなってきた。
こんなとき、体が二つあればいいのに・・・と思う。
いつでも体が二つあれば、一つは勉強につかい、一つは仕事をするのに・・・
まあ、そんな事いっても無理な話ですね。。。
街路樹ってのは、問題がたくさんあるんです。
まず、
鋏をいれる会社がコロコロと変わる為、なかなか木が落ち着かない。
車の通行を妨げないように、大きくしないといけないのですが、すべて中途半端な高さでとめてある。
近所から苦情がでるため、いくら紅葉する木であろうと今の時期に葉をすべておとさなければならない。
街路樹で、棒みたいに鋏を入れてある木を見た事はありませんか?
あれを見ると、心が痛くなります。無いほうがましって感じです。
あれを木の形に落ち着かせるには、かなりの年月と手間がかかります。が、ゆくゆくは、手間が半分ぐらいに短縮されるんです。
役所の人間は、そんなことは知らないのかもしれません。
また、紅葉する前に切ってしまうなんておかしくないですか?
新緑と紅葉。木が「どうだ!綺麗だろ。」ってアピールする大切な時期なのに・・・
ほんと、かわいそうです。
そして、道路拡張で邪魔になれば伐採されてしまう。
人間の手で植えられて、排気ガスいっぱい吸わされて、そのうえ落ち葉落とすなって???
私がこの子達だったら、ふざけんじゃねー!って思います。
もっと、大事にしてやって欲しい・・・
人間の出す埃をいっぱい吸ってくれてるんだから。。。
人間の起こす問題をたくさん解決してくれてるんだから。。。
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樹の性質、手入れに関して
2005/09/30
金木犀。。。
金木犀の透かしを添付しました。
よく見るのは、丸く刈り込んでいますが、私は刈り込みがあまり好きではないので極力刈り込みは避け、透かしにします。
樹というものは、伐ればきるほど良く伸びます。よく素人の方が、さっぱりとブツブツに枝を落としているのを見かけます。あれは、逆効果です。伐られた樹は、むきになりもっと伸びようとします。
樹も生き物ですから、人間と同じく、上から押さえつけられるといじけいてしまいます。どこかで伸び伸びできるような枝を残してやらないといけません。
一気に縮めようとしても、それは無理な話です。人間でもそうですよね。いい所を伸ばしてやりながら悪いところを修正してやる。樹もまったく同じです。
この写真は、透かし完了の写真です。これでも30~50センチは全体が縮まっています。作業前をとってなかったので、分かりにくいですが・・・この樹はこれで無茶な伸び方はしません。じわじわ伸びていくでしょう。
とにかく、手入れに関しての私の仕事は、樹を落ち着かせてやることです。そうすれば、中のほうから充実した芽が出てきて、それが枝となりそこまで戻してやる。それの繰り返しです。もちろん、大きくしてやりたいときは、戻しませんが。
といっても、大木になった時に小さくしたいという場合には、一度バッサリいってしまいます。それからもう一度樹を落ち着かせてやるやり方をするのです。
私の役目は、ただ伐ってるわけじゃない。樹と対話し、落ち着かせているのです。
よく見るのは、丸く刈り込んでいますが、私は刈り込みがあまり好きではないので極力刈り込みは避け、透かしにします。
樹というものは、伐ればきるほど良く伸びます。よく素人の方が、さっぱりとブツブツに枝を落としているのを見かけます。あれは、逆効果です。伐られた樹は、むきになりもっと伸びようとします。
樹も生き物ですから、人間と同じく、上から押さえつけられるといじけいてしまいます。どこかで伸び伸びできるような枝を残してやらないといけません。
一気に縮めようとしても、それは無理な話です。人間でもそうですよね。いい所を伸ばしてやりながら悪いところを修正してやる。樹もまったく同じです。
この写真は、透かし完了の写真です。これでも30~50センチは全体が縮まっています。作業前をとってなかったので、分かりにくいですが・・・この樹はこれで無茶な伸び方はしません。じわじわ伸びていくでしょう。
とにかく、手入れに関しての私の仕事は、樹を落ち着かせてやることです。そうすれば、中のほうから充実した芽が出てきて、それが枝となりそこまで戻してやる。それの繰り返しです。もちろん、大きくしてやりたいときは、戻しませんが。
といっても、大木になった時に小さくしたいという場合には、一度バッサリいってしまいます。それからもう一度樹を落ち着かせてやるやり方をするのです。
私の役目は、ただ伐ってるわけじゃない。樹と対話し、落ち着かせているのです。
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樹の性質、手入れに関して
2005/09/28
ナンキンハゼ。。。
ナンキンハゼの木がクスノキに負けて、斜めに倒れるようにして伸びていた。今の時期は実もなる為、枝は垂れ下がっていた。
近所の六十歳くらいのおばさんが来て、ナンキンハゼを見て「かわいそうだから、垂れた枝を切ってあげたら?」と言った。
私は思った。それは、人間の考えである。ナンキンハゼくんからすれば、クスノキに負けないように頑張って伸びてきたはずである。どうしても、クスの成長に勝てず、一生懸命光を求めて伸びてきたはずである。はたして、その枝を落としてやる事が優しさだろうか・・・私はそうは思わなかった。
木は、苦しくなれば自分で葉をふるい、自分で枝を枯らす。斜めに伸びたナンキンハゼくんは、かわいそうではなく、これが自然の摂理である。たとえ、人工的に植えられたものであっても、そこからは、ナンキンハゼくんの人生である。
今日の出来事で、過保護な子育てでしかれない人の多いと言われている世の中の象徴だと思った。それと同時に、人の持つものさしの長さの違いを感じ、勉強になった。。。
近所の六十歳くらいのおばさんが来て、ナンキンハゼを見て「かわいそうだから、垂れた枝を切ってあげたら?」と言った。
私は思った。それは、人間の考えである。ナンキンハゼくんからすれば、クスノキに負けないように頑張って伸びてきたはずである。どうしても、クスの成長に勝てず、一生懸命光を求めて伸びてきたはずである。はたして、その枝を落としてやる事が優しさだろうか・・・私はそうは思わなかった。
木は、苦しくなれば自分で葉をふるい、自分で枝を枯らす。斜めに伸びたナンキンハゼくんは、かわいそうではなく、これが自然の摂理である。たとえ、人工的に植えられたものであっても、そこからは、ナンキンハゼくんの人生である。
今日の出来事で、過保護な子育てでしかれない人の多いと言われている世の中の象徴だと思った。それと同時に、人の持つものさしの長さの違いを感じ、勉強になった。。。
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樹の性質、手入れに関して